院長の知恵袋

右脳・左脳論

  • 2014.7.14

 大脳は脳梁を境にして、左右に分かれます。そしてそれぞれが右脳・左脳と呼ばれており、左右で異なる機能が局在しています。例えば体の右側の感覚や運動は左脳が司っており、反対側の左側の感覚や運動は右脳が司るなどです。右脳に脳出血が起こると左半身が麻痺するのはこのためです。

 これの延長線上のように、右脳が音楽や絵画などの芸術的創造性を司り、左脳が言語や計算などの論理的思考を司るとされ、芸術家肌の人は右脳優位で、理論家の人は左脳優位といった説があります。更には、腕を組んだ時に上になる腕が左だと右脳が利き脳で、逆の場合は左脳が利き脳だというテストのようなものまであります。

 しかし、これらは科学的知見からはかけ離れたものであり、元ネタとされるスベリーの研究においては、研究対象とされたのは脳梁の切断手術を受けた患者の脳だけであって、スベリー自身もそのような患者以外の適用を否定しています。

淳于意

  • 2014.7.13

 淳于意は前漢初期の時代の人物で、斉の国で太倉長という役職についていたことから太倉公と呼ばれることもあります。彼は世界で初めてカルテを残した人物とされています。

 淳于意は若い頃から医術を好み、同じ郡に住んでいた陽慶という人物に師事し医術を3年間修行しました。その結果、多くの人々を救う名医となったのですが、度々診療拒否をすることがあったそうです。その中には身分の高い者もいたそうです。

 そして、記録に記述がないので、そのためかはわかりませんが、何かしらの罪で罰せられるために首都・長安に連行されることになりました。淳于意には4人の娘がいました。淳于意が連行される時には、4人の娘は泣いてすがったそうでうすが、淳于意はそんな娘たちに「子を産んでも男がいないと、いざと言うときに役に立たん!」と嘆いたそうです。

 この言葉を聞き、末娘の緹縈は長安に随行し長安に到着すると、時の皇帝の文帝に「死刑や肉形(罪人に入れ墨を入れたり、鼻を削いだり、手足を切断する刑)になったら、父が罪を悔い改める機会を失うので、代わりに私が奴隷となって父の罪を償いたい。」と訴えました。これに文帝はいたく感動し、「かつて夏(古い伝説の国)の時代には、罪人への刑は罪人の服に色を塗りつけて辱めるものしかなかったのに、今はそれよりも重い刑があるにも拘らず犯罪は減らない。これは朕の不徳の致すところだ。」として、他の刑に代えるように詔を下し、肉刑を廃止したと伝えられています。

日焼け

  • 2014.7.12

 日焼けとは、メラニンの保護能力を超えた日光(その中でも特に紫外線)の過剰照射によって皮膚が焼けることをいい、深度Ⅰ~Ⅱ度のヤケドの一種です。

 また紫外線はUVA(長波長紫外線)、UVB(中波長紫外線)、UVC(短波長紫外線)の三つに分けられます。ちなみにこの中のUVCだけは大気層で吸収されるため、地表には到達はしません。

 そして一口に日焼けと言っても、この現象は2種類あります。一つはUVBが真皮にまで達すると毛細血管が防衛反応を起こし充血することによって肌が赤くなり痛みを発症させるサンバーン(Sunburn)、サンバーンにおいてこの武ウエイ反応の許容量を超えると皮膚の細胞組織が傷つき、発熱、水泡、痛みが起きますがこれを医学的に「日光皮膚炎」と言います。もう一つはサンバーンが起こった後にUVAがメラノサイトに働きかけてメラニン色素が沈着して肌が黒く(実際は褐色)なるサンタン(Suntan)です。サンタンは痛み起こしませんが、シワ、タルミの原因となります。

 かつては健康の象徴の様に思われていた日焼けによる褐色の肌ですが、近年では医学的見地から日焼けは皮膚を傷めつけ、皮膚ガンや白内障を発症、誘発させるとして極力避けるべきとされています。

スポーツドリンク

  • 2014.7.11

 運動などで発汗が起こりますが、汗の成分は99%は水分ですが、0.5%はミネラル類でミネラルの中でもナトリウムが多く含まれます。このため汗は塩辛いのです。

 スポーツドリンクは体液にほぼ近い浸透圧を持つため、激しい運動によって失われた水分、ミネラルを速やかに補給してくれる飲料です。逆に言えば、それほど激しくない運動、もしくは日常生活にはスポーツドリンクの糖分は高すぎるため適しません。普段の生活や軽い運動には水で充分です。

 また、激しいスポーツ時の場合、本来ならスポーツドリンクということになるのですが、最近では様々な種類のスポーツドリンクが出ており、糖度が0%に近いものもあれば、上は20%くらいのものまであります。糖度が高い、すなわち甘すぎるスポーツドリンクをプレイ中に飲むことは疲労回復の妨げになり、パフォーマンスの低下に繋がります。プレイ前、プレイ中などは糖度が5%くらいのものがベストで、糖度が高い場合は水で薄めたりすることで調節するといいでしょう。

神農

  • 2014.7.10

 本草学とは漢方薬の材料である生薬を研究する学問です。中国において最古の本草学の本は「神農本草経」とされますが、これは神農の著作ではなく、神農が活躍したとされる紀元前2740年前よりも後の、後漢の時代にできたもので、神農の名前にあやかったものと考えられます。

 では、神農とはどんな人物かというと、古代中国の皇帝で、火徳の王であったので炎帝とも呼ばれます。神農は人々に医術と農耕の術を広めた人物で中国では医薬と農業の神様として崇められています。

 言い伝えによれば、神農は百草を嘗めて、毒か薬か、体を冷やすか、熱を温めるか、またどんな香り付けや味付けが良いかを調べ、そこから発見した植物の育て方を人々に伝えたと言います。それらの功績が、神農が医学の祖、そして農耕の祖とされる所以なのです。

 神農の容貌は、身の丈八尺七寸の人身牛頭と言われますが、絵や像などでは、頭に短い角を生やし、長い髯を蓄えた、腰蓑をつけた男性像がよくみられます。

親知らず

  • 2014.7.9

 人間の歯は、成人で28~32本あります。生後6ヶ月ごろから生え始め、3歳くらいまでに乳歯が生えそろい、その数は20本です。

 最初の記述した28~32本、この4本分の幅は、俗に言われる「親知らず」を指します。この「親知らず」、正式名称は第3大臼歯と呼ばれ真ん中から数え8番目に当たります。人によっては「親知らず」が生えてこないという人もいますが、成人後に生え始めることが多く、昔は人の寿命が短かったので、「親知らず」が生えてくるころには親が亡くなっていることが多かったために「親知らず」と呼ばれるようになったと言います。

 

 「親知らず」はきちんと生えれば問題が無いのですが、横や斜めに生えてくると、歯茎やあごの骨を圧迫し炎症を起こしたり、歯が磨きにくくなるため虫歯を誘発するなど、よくトラブルを起こしやすい歯です。近年の日本人は固いものをあまり食べなくなったので、顎が小さくなってきたために「親知らず」がきちんと生えづらくなっています。

永田徳本

  • 2014.7.8

 永田徳本は戦国時代後期から江戸時代初期にかけて活躍した医師で、「16文先生(18文とも言われる)」「甲斐の徳本」の呼び名を持つ名医でした。

 その経歴は伝説的要素が強く、出身は三河とも甲斐とも言われ、医学を修めてからは信濃甲斐に移り住み、時の戦国大名である武田信虎、信玄の侍医を勤めていましたが、信虎が信玄に領国から追放されてからは侍医を辞し、信濃の諏訪に移り住み、牛の背に乗り、一服16文と書いた薬袋を提げ「甲斐の徳本、一服16文」と声を上げ薬を売り、どんな病人を診ても治療費は16文しか受け取らなかったと言います。

 

 江戸初期に入ると徳川幕府二代将軍秀忠が大病を患い多くの医師がいろんな薬を処方しても治らなかったのですが、徳本が処方した薬を飲むと病気は治ったそうです。そしてこの時も徳本は16文しか治療費を受け取らなかったのです。

 徳本は、最後は信濃の岡谷に移り住み118歳と言う記録が正確なら驚異的な寿命を全うし人生に幕を降ろしたのでした。

 ちなみに、製薬会社の「トクホン」は縁者と言うわけではないのですが永田徳本から名前を取っているそうです。

乗り物酔い

  • 2014.7.7

 乗り物酔いは、医学的に言えば「動揺病」、「加速度病」などと呼ばれます。症状は、むかつき、冷や汗、顔面蒼白、、吐き気を起こし、さらに悪化すると嘔吐します。

 原因は船やバスなどの乗り物に乗った時、加速や減速、或いは乗り物の揺れによって、耳の器官である三半規管が感じる平衡感覚と、目に入る視覚情報、そして体の筋肉が感じる知覚にズレが生じて起こると考えられています。

 予防法は、乗り物によっても変わりますが、全般的に共通することは睡眠を十分にとり、空腹や食べすぎは避け、おしゃべりや音楽などで気を紛らわせ、遠くの景色を見て読書のような下を向くということはせず、酔い止めの薬を30分前には飲んでおく、などがあります。

ビタミンの発見

  • 2014.7.6

 1911年にイギリスのカシミール・フンクが脚気の予防に有効な成分の抽出に成功しました。この成分に生命に必須のアミンという意味を込めてビタミン(生命のアミン)と名付けたのでした。この発見によりビタミンは広く世界に知れ渡ることになりました。

 しかし、これより1年早く日本の農芸化学者である鈴木梅太郎が世界で初のビタミンの抽出に成功していたのでした。

 当時の軍隊ではB1欠乏症の一種である脚気にかかる者が多く中には死亡する者も少なくはない状態でした。そのため当時の軍医らは脚気の研究していたのでした。

 そのような中で白米の栄養価の研究をしていた鈴木梅太郎が米糠の中に脚気を治す成分、オリザニン、後のビタミンB1の抽出に成功したのでした。しかし、この発見の論文を日本語で発表したため世界的に知られることはなかったのです。しかも、日本においても鈴木梅太郎が農芸化学者ということもあり、発表当初は日本の医学界では相手にされなかったそうです。

 鈴木梅太郎の功績が評価されるのにはしばらくの時間を要したのでした。

ビタミン

  • 2014.7.5

 ビタミンとは、糖質、脂質、たんぱく質、ミネラルに並ぶ五大栄養素の一つとされ、僅かな量で生きていくのに必要な生理作用を正常に働かせるという有機化合物でありながら、体内で合成できないものの総称です。ちなみに名前の由来は生命活動に必須のアミン(vital amine)ということです。

 学者から様々なビタミンが発表されたが、検証の結果幾つかは同じ栄養素であったり定義に当てはまらないものだったりと判り、現在は13種類となっています。また、ビタミンはその性質から水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに分類できます。

 

 まず、水溶性ビタミンはビタミンB群(B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン)、ビタミンCの9種類です。この水溶性ビタミンは水に溶けやすく、調理の際は長時間の水洗いや過熱は避けなければなりません。また、多く摂取したとしても尿中から排出されるので過剰症(皮膚発赤反応、運動・知覚障害など)の心配が少ないですが、欠乏症(壊血病、神経障害など)の心配があります。

 そして、脂溶性ビタミンはビタミンA、D、E、Kの4種類です。脂溶性ビタミンは油に溶けやすいので油と一緒に調理するとより吸収・蓄積されやすくなります。当然、水溶性とは逆になるので欠乏症(夜盲病、クル病など)になりにくい反面、過剰症(胎児の奇形の発生、高カルシウム血症など)になりやすいです。

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