院長の知恵袋

2014年6月 一覧

声変わり

  • 2014.6.30

 第二次性徴を迎える思春期、おおよそ11~14歳ごろに発毛などと共に変声、いわゆる声変わりが現れます。これは男の子だけに起こるものと思われがちですが、女の子にも起こります。ただ、男の子ほど急激に低くはならないのであまり目立たないだけなのです。

 声変わりの仕組みは、思春期に声帯が一過性の浮腫を起こし、その結果、声が声帯が長くなるため、低い声が出るようになります。そしてこれは甲状軟骨が前に突出するということになるので、これによって俗に言う「のどぼとけ」、または欧米などで言われる「アダムのりんご」が見られるようになるのです。

 ちなみに、近年の日本では子供の低音化が進んでいると言われています。これは昔と違い、子供たちが外で遊ばなかったり、近年の住宅などの建造物が気密性が高まった為に大声を出すということが少なくなったなどの日本の環境の変化の影響と考えられています。

心電図検査

  • 2014.6.29

 心電図検査は、法定健康診断である定期健康診断でも検査項目としている検査で、ほとんどの人にとっては馴染み深い検査であります。しかし、心電図検査といっても方法は何種類もあるですが、最も一般的なのは定期健康診断でも行われている、両手首、両足首、胸部に6ヵ所の電極を取り付けて心臓の活動電流を計測する12誘導心電図検査でしょう。

 心電図とは、血液を循環させるために心臓が拡張と収縮を繰り返すのですが、この時に発生する微弱な活動電流の時間的変化をグラフとして記録したものです。そして、心電図によって何がわかるかというと、心臓の拡張と収縮は正常に行われているか、心臓の筋肉に血液を送っている冠状動脈は滞りなく流れているか、等がわかります。

 これにより、不整脈、心肥大、狭心症、心筋梗塞等の心臓病を発見することが出来たりするのですが、心臓に異常があれば必ず心電図でわかると言う訳ではないので注意が必要です。

長岡謙吉

  • 2014.6.28

 海援隊は日本で初めての会社といわれている亀山社中を前身とした貿易結社で、1865年から1868年の三年間を私設海軍・貿易会社として活動しました。そして、その初代隊長が幕末の志士坂本竜馬でした。

 長岡謙吉は、その後間も無くして起こった竜馬暗殺の後に、二代目海援隊隊長となった人物です。謙吉は武家の出ではなく、医者でした。(海援隊は武家の出身の者だけでなく、商人、医師、庄屋の出身の者と様々な身分の者の集まりでした)

 天保5年、高知城下浦戸町の町医者今井孝純の子として生まれてきました。父の孝純は竜馬の継母の伊与とイトコ同士だったので竜馬とは遠縁にあたりました。

 謙吉は、若い頃は医学を学び父の跡を継ぎ高知で開業していたのですが、西洋医学に興味を持ち長崎に赴きシーボルトに師事していたのですが、この時にキリシタンの嫌疑を受け帰国させられ、長岡郡鹿児村への蟄居を命じられます。その後謙吉は赦免されるのですが、今度は脱藩し再び長崎へ赴き、そこで海援隊に参加することになったのです。

 海援隊に加入してからの謙吉の活躍は凄まじく、通信・事務を一手に引き受け、大政奉還後の竜馬の構想をまとめた「船中八策」を起草したのは謙吉でした。

 明治維新後は、三河県知事に任じ、その後も大蔵省や工部省の吏員を歴任しましたが、39歳の若さで東京で病没するのでした。

便秘対策

  • 2014.6.27

 何かしらの病気が原因ではない慢性的な便秘は、便秘薬に頼るのではなく生活習慣を改善していくことが理想的です。

1. トイレの習慣:毎日決まった時間にトイレに行く習慣をつけます。但し出そうもないのに長時間トイレに居続けるのは良くありません。また、便意があるのに我慢するのも良くありません。

2. 適度な運動:排便には腹部の筋肉の働きが重要です。身体を動かすことによって大腸の蠕動運動が促されるからです。

3. 食生活:規則的な食事で食物繊維を多く取り、適度な水分補給を心掛ける。

 大まかに言うとこれらの三つですが、手軽なものでオススメしたいのが朝の一杯の冷たいお水(もしくは牛乳)です。

 胃の中が刺激されるとその刺激が胃から脳、脳から腸へと伝わって(胃・大腸反射)蠕動運動が促されるのです。逆に言えば、朝食抜きは便秘の原因になるということです。

便秘

  • 2014.6.26

 数日間排便のない状態を便秘といいます。よく「毎日排便できなければ便秘だ。」といわれる方もいますが、人によって排便間隔はばらばらなので一概に決めることは出来ません。しかし、おおよその目安として「3日以上排便がない」「全部出し切れていない。すっきりしない」という場合を便秘ということができます。

 あともう一つ言われるのは、「女性の方が便秘になりやすい」というものですが、これには根拠があります。

 1つ目に、女性は男性と比べて筋力が弱いということが挙げられます。

 2つ目に、女性ホルモンの「プロゲステロン」と「黄体ホルモン」が水分を蓄積してしまう働きがある為、排便に十分な水分を補給できなくなってしまうのです。そしてこれらのホルモンは生理時、妊娠時に多く分泌され、これらの時に女性は便秘しやすくなります。

 3つ目に、女性は便意を催してもトイレを我慢することが多く、これを繰り返すと脳へ送られる便意に対する刺激がどんどん弱くなっていきます。結果的に便が溜まっても便意を感じなくなってしまうのです。

 また便秘には危険なものと、そうでないものがあります。危険なものは大腸や直腸の癌、腸の癒着で起こすことによって便の通りを悪くするというもので、便に血が混じっていたり、激しい腹痛があるという場合は医師の診断を受けましょう。

花粉症

  • 2014.6.25

 花粉症とは、人体にある免疫反応が過剰に反応して起こすアレルギー反応の一種です。

 主な症状は、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみの四つで、これらは花粉症の四大症状と呼びます。そしてこの内の目のかゆみを除いたものを鼻の三大症状とし、これはいわゆるアレルギー性鼻炎とされます。(ちなみに目のかゆみはアレルギー性結膜炎)

 アレルギー性鼻炎はアレルギーの原因であるアレルゲンが一年中ある(ハウスダスト、ダニなど)通年性アレルギー性鼻炎と、季節によってアレルゲンが発生する季節性アレルギー性鼻炎の二種類があり、花粉症は季節性に分類されます。

 

 また、花粉症はスギが有名ですが、実際のところ日本においては約60種類の植物が花粉症の原因植物として存在しています。主なところでは、ヒノキ・カモガヤ・ブタクサ・シラカバなどです。

 治療法は、薬物療法などによって症状を抑えることを目的とした対症療法や、逆に減感作療法といった根治を目的としたものもあるが現時点ではこれも完治する率は高くなく、根本的に直るというのは難しいというのが現状です。

げっぷ

  • 2014.6.24

 げっぷは東洋医学的に噯気ともいい、満腹時や消化不良時に出るとされ、そうでない時は脾胃や肝の働きが悪いとされています。

 胃は食物だけでなく、食物の摂取と一緒に空気を飲み込んでいたり、食物の中にも、例えば炭酸飲料などのような空気が含まれているものがあったりと、実は空気が結構入っていたりします。しかし、これは全く無意味なことではなく、空気が入っていることで胃液が攪拌され胃全体に行き渡らせることができたり、胃が空の状態でも胃の大きさを保つなどの意味があったりするのです。

 そして、げっぷは胃内のガスと空気の混合物なのですが、これが一定量以上貯留するとげっぷとして吐き出されるのです。

 食後や炭酸飲料を飲んだ後などげっぷが出るのは普通ですが、胸焼けを伴うげっぷが頻繁に出る場合は胃腸の病気が疑われます。

御園意斎

  • 2014.6.23

 14世紀のはじめ、日本では安土・桃山時代の頃、花園天皇の離宮の牡丹が枯れかかった時の事でした。当時、鍼の名人として評判の高かった摂津の多田源氏の流れを汲む多田二郎為貞が召しだされました。為貞は牡丹に鍼を刺すと、なんと牡丹は枯れることなく花を咲かせたのでした。

 為貞はこの恩賞として御園の姓と牡丹に唐獅子の紋章を賜ったのでした。この後、為貞は号を意斎と改め御園意斎と名乗ることになるのです。そしてこれ以降、彼の家系は代々意斎と名乗り、明治の時代まで御典医(天皇の治療に携わる医師)を務めることになるのです。

 ちなみに、意斎は牡丹に鍼を刺したのではなく、牡丹についていたアブラムシを刺したのだそうです。

更年期障害

  • 2014.6.22

 更年期とは、閉経前後の10年ぐらいを指しており、女性ホルモンを分泌する卵巣の機能が衰え停止し安定する成熟期から老年期に移行するまでの期間としてます。そしてこの移行期間である更年期に現れる不定愁訴を総括した症候群を更年期障害と呼びます。

 更年期障害の症状は種類・程度・期間は様々で個人差が大きく、急性症状ではイライラ・不安感といった精神症状や、ほてり、発汗などがあり、慢性症状では頻尿・残尿感といった泌尿器系障害や、性交痛、腰痛、肩こりなどがあります。

 治療法はホルモン療法が有効とされ、そのほかにも漢方薬や精神安定剤、もしくは心理療法などが用いられることがあります。

 また、食生活やストレス解消などの生活習慣の改善で症状が軽くなることがあります。

イビキ

  • 2014.6.21

 イビキは東洋医学では鼾声または鼾ともいい、卒中混迷時(脳血管障害)や熱が盛んなときに現れるとされています。

 イビキのメカニズムは、睡眠時に意識が無くなると筋肉が緩むのですがノドの周囲の筋肉も緩みます。そうなると気道が狭くなり呼吸によって空気が通る時に「咽頭(のど)や鼻」の中の粘膜が振動してイビキが発生するのです。

 イビキは健康な人でもかきますが、太っていたり、鼻や咽頭部(ノド)に障害がある人は起きやすくなります。

 その中でも注意すべきものがあります。舌根がノドをふさぐ舌根沈下によるイビキは意識障害の症候の一つであり意識障害をきたす疾患には脳血管障害があり、普段イビキをかかない人が突然イビキをかきだしたら注意が必要です。また、一晩の睡眠において呼吸が何回も止まることを睡眠時無呼吸症候群といいます。これが繰り返され続けると、高血圧、狭心症、心筋梗塞、脳血管障害になどを引き起こす原因とされています。イビキが激しく時々呼吸が停止し、昼間に眠気がある人はこれもまた注意が必要です。一度検査を受けることをお薦めします。

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