院長の知恵袋

ビタミンの発見

  • 2014.7.6

 1911年にイギリスのカシミール・フンクが脚気の予防に有効な成分の抽出に成功しました。この成分に生命に必須のアミンという意味を込めてビタミン(生命のアミン)と名付けたのでした。この発見によりビタミンは広く世界に知れ渡ることになりました。

 しかし、これより1年早く日本の農芸化学者である鈴木梅太郎が世界で初のビタミンの抽出に成功していたのでした。

 当時の軍隊ではB1欠乏症の一種である脚気にかかる者が多く中には死亡する者も少なくはない状態でした。そのため当時の軍医らは脚気の研究していたのでした。

 そのような中で白米の栄養価の研究をしていた鈴木梅太郎が米糠の中に脚気を治す成分、オリザニン、後のビタミンB1の抽出に成功したのでした。しかし、この発見の論文を日本語で発表したため世界的に知られることはなかったのです。しかも、日本においても鈴木梅太郎が農芸化学者ということもあり、発表当初は日本の医学界では相手にされなかったそうです。

 鈴木梅太郎の功績が評価されるのにはしばらくの時間を要したのでした。

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