院長の知恵袋

永田徳本

  • 2014.7.8

 永田徳本は戦国時代後期から江戸時代初期にかけて活躍した医師で、「16文先生(18文とも言われる)」「甲斐の徳本」の呼び名を持つ名医でした。

 その経歴は伝説的要素が強く、出身は三河とも甲斐とも言われ、医学を修めてからは信濃甲斐に移り住み、時の戦国大名である武田信虎、信玄の侍医を勤めていましたが、信虎が信玄に領国から追放されてからは侍医を辞し、信濃の諏訪に移り住み、牛の背に乗り、一服16文と書いた薬袋を提げ「甲斐の徳本、一服16文」と声を上げ薬を売り、どんな病人を診ても治療費は16文しか受け取らなかったと言います。

 

 江戸初期に入ると徳川幕府二代将軍秀忠が大病を患い多くの医師がいろんな薬を処方しても治らなかったのですが、徳本が処方した薬を飲むと病気は治ったそうです。そしてこの時も徳本は16文しか治療費を受け取らなかったのです。

 徳本は、最後は信濃の岡谷に移り住み118歳と言う記録が正確なら驚異的な寿命を全うし人生に幕を降ろしたのでした。

 ちなみに、製薬会社の「トクホン」は縁者と言うわけではないのですが永田徳本から名前を取っているそうです。

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