院長の知恵袋

ワクチン

  • 2014.6.13

 生物が持っている体を守る仕組みを利用して、毒性を無くした、もしくは弱毒化した病原体を注入することで病気に対する抗体を作らせる薬をワクチンと言います。

 ワクチンは二種類に分けることができます。

 まず1つは生ワクチンと言い、これは病気を引き起こす力は失っているが、感染力と抗体産生能は保持しているような病原体を生きたままワクチンとして利用したものです。生ワクチンは獲得免疫力が強く、免疫持続時間がながいという長所がありますが、生きている病原体を利用するため、ワクチン株の感染による副反応に注意する必要があります。

 もう1つは不活性化ワクチンがあります。これは病原体を加熱や薬品により死滅させて、感染防御に必要な抗原成分のみを培養したものや遺伝子組み換えたワクチンなどを指します。不活性化ワクチンは生ワクチンより副反応が少ないですが、強固な免疫を得るためには複数回接種による基礎免疫と追加免疫が必要とされます。

 多くの人に馴染み深いと言えばインフルエンザワクチンですが、これは不活性化ワクチンに分類されます。ワクチン接種はインフルエンザ自体が少しずつ抗原型が変化するウィルスであるため、毎年流行が予想されるのですが、流行した型と予防接種した型が合っていなかったため効果が得られない、ということもあります。

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