院長の知恵袋

鼻血

  • 2014.6.6

 鼻からの出血を鼻血といい、医学的には鼻出血と呼ばれます。

 外傷・腫瘍・炎症などが原因で起き、キーゼルバッハ部位という鼻に指を少し入れたとき指先で触れることのできる中央の堅い部分からによる出血が大半です。

 止血方法は、座った姿勢で顔をやや下向けにし血を飲み込まないようにして鼻の下の方(小鼻)を指で5から10分ほど圧迫します。大概の場合これで治ります。

 よくする、鼻にティッシュを詰めるのは抜く時に傷をつける恐れがあるので、する場合は、軽く詰めるように心がけてください。

 また、仰向けに寝たり頭を後ろに反らすのは、血液が口の方に流れる危険があるので止めましょう。

 ちなみにチョコレートやピーナッツの食べすぎや、性的興奮で鼻血が出るというのは迷信です。

杉山和一2

  • 2014.6.5

 前回お話した杉山和一という人は、杉山検校と呼ばれることがあります。この検校というのは当時では盲官の最高位の名称であり、このことからもわかるように杉山和一は盲人でした。

 杉山和一は戦国時代に活躍した藤堂家に仕える武家の出身でしたが、幼い頃伝染病により失明したことで刀を捨て医の道へ入ったのです。
 そして杉山和一が75歳の時、前回話したように江戸で大成するのですが、その活躍が耳に入り当時の将軍徳川綱吉を治療することになりました。
 杉山和一の優れた治療に感心した綱吉は、元禄6(1693)年杉山和一に「何か欲しいものはないか。」と問うたところ、「目が欲しい。」と答えたそうです。そこで綱吉は本所一ツ目の地を与えたのでした。
 杉山和一は本所一ツ目に鍼・あんま技術の取得教育を目的とした「杉山流鍼治導引稽古所」を開設しました。

 そしてこの「杉山流鍼治導引稽古所」こそ、世界初の視覚障害者教育施設だったのです。

杉山和一

  • 2014.6.4

 鍼を刺す方法といえば、日本人ならほとんどの人が、針を針より少し短い管に入れ、管から出ている鍼の柄をたたいて刺すというイメージがあるでしょう。

 これは管鍼法と言い、今の日本の鍼灸では主流といっても過言ではないですが、この方法が発明されたのは長い歴史を持つ鍼灸においては比較的新しく、江戸時代の初期頃であります。
 そして、この管鍼法を発明したのが、後世に近代日本鍼灸の中興の祖とまで言われている杉山和一なのです。

 この杉山和一という人は、生まれつきノロマで物忘れが激しく、さらに不器用だったので最初に弟子入りしたところでは破門されるほどでした。ですが破門され実家に帰る途中に躓いてこけたときに刺さるものがありました。それは竹の筒と筒の中に入った松葉でした。
 この出来事をヒントに発明したのが管鍼法でした。

 その後、杉山和一はまた別の場所で弟子入りして学び直し、江戸で開業し大成したと伝えられています。

華陀

  • 2014.6.3

 麻酔とは、手術中・手術後の痛みの除去ならびに手術に必要な身体状態の維持や筋肉の弛緩をえるために用いられるものであり、現代医療においてはなくてはならないものです。

 この麻酔を最初に発明したのは、2世紀から3世紀頃の中国(後に三国時代と呼ばれることになる時代)に活躍した中医師・華陀と言われています。

 華陀は養生の術に精通しており、インド大麻を原料にしたとみられる『麻沸散』という薬を用いて外科手術を行っていたとされていますが、残念ながら文献としての記録が残されておりません。

 当時、華陀は民衆から「神医」と呼ばれており、今でも医術の神として崇められています。

マッサージ

  • 2014.6.2

 マッサージとは、器具・機械などをを使わず徒手のみを用いて人の体表面に力学的・機械的刺激を送り込み、一定の生体反応を引き起こすことにより、疾病の治療・予防を図るという手技療法であります。
 また、名称からも分かるようにマッサージとは西欧諸国で発展し、明治20年ごろから日本に導入された治療法です。

 器官別に効果を見てみると以下のようになります。

1)筋に対する効果:筋の緊張を緩和

2)神経に対する効果:神経線維に働きかけ疼痛を緩和

3)血流に対する効果:静脈還流が増加し、血流を促進

4)リンパ流に対する効果:リンパ流派リンパ系に外から及ぶ力に依存しているので、
  リンパ流が促進

 このように適応を選べば、マッサージは有用な治療方法なのであります。

筋力増加のメカニズム

  • 2014.6.1

 筋力を増強させるには、トレーニングをすることによって小さな(ミクロレベルでの)損傷を与え、その後に十分な栄養補給と十分な休息を与えます。
そうすることによって、筋肉はまた筋繊維が損傷しないようにと筋繊維を増やし太くします。
このメカニズムを「超回復」と言います。

 注意点は、ついトレーニングの頻度を多くしてしまい、十分な休息を取らない、ということにならないことです。
十分な休息を取らないと、「超回復」が得られず慢性疲労が蓄積してしまいます。

 次に、トレーニング初期は神経衝撃の増加、簡単に言うと神経の働きかけが上がるので短期間で効果が得られますが、筋繊維自体はまだそれほど増えてはいません。
このことから、トレーニングはおおよそ三ヶ月程の長期的計画で行うのが望ましいといえるでしょう。

低温ヤケド

  • 2014.5.31

 二月に入り、本格的に寒い時期となりました。

 寒さをしのぐために『カイロ』を使いますが、中には二十四時間、寝ている時も付けっぱなしという方が結構おられます。
これは低温ヤケドを起こす可能性があります。

 低温ヤケドとは、高温ではないが熱が逃げない状態で長時間皮膚に直接接触した場合に起こるものです。

 ヤケドの深度とは「温度×時間」で決まります。ですからカイロなど温度が低いものを長時間身に付けておくと、皮膚の深い部分までヤケドをしてしまう可能性があるのです。
そして、深い部分までヤケドをしてしまった場合のほとんどが治りが難しいのです。
炎などは温度は高いのですが瞬間的なので浅い部分で留まるのです。

 寒いとはいえカイロの付けっぱなしは危険です。注意しましょう。

経穴

  • 2014.5.30

 経穴とは、世間では一般的に「ツボ」と呼ばれているものであり、経絡上にあります。

 また、この経絡とは鍼灸においては「気と血」(東洋医学における生きるためのエネルギー)を運行するための通路のことを指します。
 そしてこの経穴を我々鍼灸師は治療に使います。ですが、中には禁鍼穴・禁灸穴というものがあります。

 例えば、「乳中」というツボは足陽明胃経という経絡に存在します。場所は簡単に言えば乳首にありますが、このツボは鍼も灸もしてはいけないとされています。
これでは何のためにあるのか分からないところですが、胃経に異常がある場合などは痛みが出るなどの反応があります。
このように経穴は治療点としてあるだけでなく、反応点・診断点としての意味合いも持っているのです。

 そして、経穴は経絡上以外にも認められ、それらは奇穴・阿是穴と言います。
年々、他にも治療効果のある部位も発見され、新穴として発表され、経穴の数は年月を重ねるごとに増えていっているのです。

お酒の強さ

  • 2014.5.29

 肝臓は有害な物質を分解し排出してくれる臓器です。
アルコールも同様に分解し排出してくれます。
アルコールはまずアセトアルデヒドに分解されるのですが、これもまだ有害なので、ALDHという酵素によって酢酸に分解し、これによって無害とされます。

 お酒に対しての強さは、ALDHという酵素を生まれつきでどのくらい持っているかというところで決まります。
中にはこのALDHをまったく持っていない人もおり、そういう人たちはいわゆる下戸ということになります。
日本人は欧米人と比べるとALDHが少ない、またはまったく持っていない人が多いといわれます。

 ちなみに飲酒は水分補給にはなりません。アルコールは分解されるためです。
ですから、二日酔い防止のためには水分をよく摂ることが大事になります。

五臓六腑

  • 2014.5.28

 東洋医学において、『五臓六腑』とは、西洋医学で言う同名の内蔵を指しません。ですが、まったく別物かといえばそうではなく、西洋医学で言う内蔵というだけでは表しきれないのです。

 東洋医学における『五臓六腑』とは、単なる身体の構成部分ではなく、身体生理的、病理的な現象、精神活動の中心になるものとして捉えているのです。

 例えば肝などは判断力や計画性などの精神活動を支配し、「筋を司る(つかさどる)」と、あるので、筋の運動を支配していたりします。

 また、西洋医学における五臓六腑が、脳などの中枢神経からの命令によってはたらくのに対し、東洋医学では 相互に助け合ったり、制約しあう、相生相剋の関係にあるといわれます。

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